国産畳工房あわとくは、創業100年になります。畳については尼崎でNo.1と自負しています。いぐさの産地である熊本に年に何度も訪問し、産地の農家さんと情報交換と交流を重ねてきました。畳のことなら「あわとく」にお任せ下さい。
畳は二酸化窒素やシックハウスの要因とされる化学物質を吸着します。空気中のアセトアルデヒドの吸着力を測る実験で、初期濃度約14ppmが2時間で4割減少しました。いぐさが他の有機資材と比較して高い吸着性をもっている証明ですね。また、二酸化窒素についても畳表が1時間で部屋の二酸化窒素濃度をなんと90%も減らすことが東京大学工学部の実験で明らかになりました。
無垢板のフローリング以外はその製法から化学物質が多く使われています。また、ワックスやコーティング剤、クリーナなどには環境対応が遅れているものが多く、石油系から作られており、その有害性が問題となっています。このようなことを鑑みると天然素材である畳の素晴らしさが良く解ります。
空気の特長の一つとして、熱を伝えにくいというものがあります。天然素材のいぐさには多数の穴があいており、その断面はスポンジ状になっています。その穴に空気をため込むので、保温、断熱効果があります。冬、暖房を切った後、フローリングと畳の保温効果の持続性の違いを是非、体感してください。
畳は呼吸をします。湿度を吸ったり吐いたりして、室内の湿度を調節してくれます。いぐさの畳表とワラ床の畳(6帖間)では約3リットルの吸湿能力があると言われています。また、乾燥したら今度は水分を放出してくれます。言わば天然の除湿器であり、加湿器なのです。珪藻土の壁の部屋でしたら、床は絶対「畳」ですね~。
いぐさの茎断面図を電子顕微鏡で見ると「スポンジ」の様にふんわりした構造になっています。この構造が、畳を踏んだ時の気持ち良い弾力性の正体です。畳は床に比べ、弾力性が高いため、衝撃を吸収する力が高く、子供が転んでも大丈夫です。また、その弾力が足裏全体を捉え、刺激を与えるので発育期の子供のバランス感覚を養うのに効果的だと言われています。弾力性はいぐさそのものが持つ力です。店主の徳千代が熊本で自分の目で厳選した畳表は弾力性において優れています。特に、畳表の匠「酒井泰四郎」さんの畳表は素晴らしい弾力性を持っています。
意外と知られていないのが音や振動の吸収能力です。マンションなどで上の部屋の「ドスン!」と言う音に「何ごと?」と思われた方は多いと思います。衝撃実験において、床が柔らかければ柔らかいほど衝撃音が吸収されることがわかっています。畳の上に重いものを落としてみてください。床に落とした時と音や振動が違うことをご理解いただけます。特にワラ床は40cmほどの高さに束ねたワラを5cmほどにまで圧縮させて作るので、高い弾力性を得ることができます。
畳表にはいぐさのちょっと懐かしい「干し草」の匂いと泥染めの時に使う「染土」がブレンドされた匂いを感じることができます。この匂いは「心地よさ」と「自然」を感じ、鎮静効果(アロマセラピー)があります。いぐさには森林浴の物質であるフィトンチッドが含まれますので、お部屋で森林浴をしている感じですね。またいぐさにはバニリンという物質が含まれます。バニリンとは、バニラエッセンスにも含まれる成分です。この成分がいぐさの癒し効果をもたらします。
畳は退色します。新しい青い畳の色も退色した琥珀色も和室だけではなく、いろんな空間にマッチします。特に退色した琥珀色はYR色と言われ、赤と黄色の中間色で、赤と黄色の両方を含んでいて、赤ほど刺激が強くなく、黄色ほど神経質でもなく、身体にほどよい刺激と生命力や暖かく、はずむような、開放的な印象を与えてくれます。 また彩度が低いため、上品で天井、壁、建具、家具との調和を取りやすい色と言えます。